2012年11月8日木曜日

工房活動日誌(1)

以前にも話しましたが、私の通っている日本工業大学には「物理体感工房」という授業がありまして、「どんなものでも自分の作りたい物を学校のお金で作って単位が貰える」という授業でして、聞いた感じは「何その良い事づくめ」と思われがちですが、違います。
いくら自分の作りたい物と言っても、先生方のお眼鏡にかなわなければ、意味がありません。
具体的には、『廃材利用』『役立つもの』『環境に優しいもの』『小中学校の理科教材になりそうなもの』『先生の好きなもの』などが喜ばれます。
もちろん、趣味全開でも、興味本位でも、最後に完成させればいいのです。
私は、昔から作ってみたかった素粒子加速器の模型(KEKB加速器)を作る予定にしたので、問題なかったのですが、そうでない人は、何を作るか考えるのが大変だった様です。私のように作ってみたいものがあった人はそこそこ居ました。

で、授業の事を友人に話すと「ぜひやってみたい」と当然思う訳です。
という訳で、秋学期から私の友人2人が参加し、3人体制で活動する事になりました。

言い忘れましたが、この物理体感工房、担当の先生方から仕事を頼まれる事があります。具体的には、『近所の小学校に納品するお手製理科教材の製作』、『大学で行われる地域向けの理科教室のアシスタント』などで、理科教室のアシスタント(ほぼ立っているだけ。むしろ、準備などが非常に楽しい。)は、給料(時給800円)が出ます。
で、中には『事務の人が電動カー(町中でお年寄りが乗っているアレ)を荷物の運搬に使っているんだけど、改良しないか?』なんていうのがあり、私たち3人はそれに乗っかった訳です。
誰かが取っ払ってしまったカゴの製作を始めとした様々な改良をしていくうちに、3人にこんな考えが浮かびました。


・・・「自分たちで電動カー造らない?」


それは必然でした。前述のものは事務の人の要求に沿った範囲でしか改良できない。
しかし、自分たちで一から造れば、思い通りのものが出来る。
そうして、自分たちで新たな電動カーを造るべく、動き出したのです。

・・・つづく